ATH-M50xSTS-USBはオーディオテクニカのモニターヘッドホン「ATH-M50x」をベースに、ブームアーム付きのコンデンサーマイクを組み合わせたUSB接続のヘッドセットです。2023年2月17日に発売され、メーカーは「StreamSet」と呼んでいます。Amazonの掲載価格は2026年10月29日時点で26,680円でした。
この記事では音質、マイク、装着感、対応機器(Windows・Mac・PS5)、気になる点を、公式仕様と実機で使った感想に分けて整理します。XLR接続の「ATH-M50xSTS」との違いと、競合との選び分けも扱います。
1. ATH-M50xSTS-USBの基本スペック

ヘッドホン部は密閉ダイナミック型で、ドライバーは45mmです。マイクはブームアームの先にあるバックエレクトレット・コンデンサー型で、単一指向性です。A/Dコンバーターは最大24bit/96kHzに対応します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 型番 | ATH-M50xSTS-USB |
| 発売日 | 2023年2月17日 |
| ヘッドホン形式 | 密閉ダイナミック型、ドライバー45mm |
| 再生周波数帯域 | 15〜28,000Hz |
| 出力音圧レベル / インピーダンス | 99dB/mW / 38Ω |
| マイク | バックエレクトレット・コンデンサー型、単一指向性、50〜20,000Hz(3cm) |
| サンプリング | 44.1 / 48 / 88.2 / 96kHz、16bit / 24bit |
| 質量 | 約330g(コード除く) |
| コード | 2.0m、本体固定式、USB Type-A(USB Type-C変換アダプター付属) |
| 付属品 | レザー素材イヤーパッド(HP-M50x)、USB変換アダプター |
| Amazon掲載価格 | 26,680円(2026年10月29日時点) |
購入時にはメッシュ素材のイヤーパッド(HP-M50xSTS)が装着されていて、付属のレザー素材パッドと付け替えられます。電源はUSBバスパワー(DC 5V)です。
2. USBモデルとXLRモデルの違い
ATH-M50xSTSシリーズにはUSBモデルと、オーディオインターフェースやミキサーにつなぐXLRモデル(ATH-M50xSTS)があります。ヘッドホン部の基本は共通で、違いは端子とケーブルです。

XLRモデルは3.5mmのヘッドホン入力とXLRのマイク出力を備え、6.3mm変換アダプターも付属します。マイクを動かすには、ファンタム電源に対応した機器が必要です。USBモデルはPCやMacに差すだけで使えます。USBモデルにはサイドトーン機能(自分の声をヘッドホンで聞く機能)と24bit/96kHzのA/Dコンバーターが入っています。
すでにオーディオインターフェースを持っているならXLRモデルも候補です。そうでなければ、追加機材がいらないUSBモデルのほうが始めやすいはずです。XLRモデルはUSBでは使えません。
3. 音質:M50xゆずりのフラットな鳴り方
ヘッドホン部は、スタジオ用モニターヘッドホンのATH-M50xをベースにしています。メーカーは「幅広い周波数帯域でクリアな音質と、深みのある正確な低音域」と説明しています。
普段はBoseやゼンハイザーのヘッドホンで音楽を聴いている私が使うと、低音や高音を持ち上げない、フラットな音に感じます。音の細部がよく見え、楽器の1つ1つを聞き分けやすい印象です。定位感もよいので、バイノーラルマイクで録音したASMR動画を聴くのにも向いています。
ゲームで使う場合も、足音や環境音の方向を拾いやすい密閉型です。ただし、重低音を強く盛った「ゲーミングヘッドセット」の味付けとは別物で、正確さを重視した音作りです。

4. マイク:ブームアームの使いやすさとサイドトーン
マイクはオーディオテクニカのAT20シリーズの技術を踏襲した大口径のカーディオイド(単一指向性)コンデンサー型です。ブームアームは自由に曲げられるので、頭を動かしても口元との距離が変わりにくくなります。

ミュートはブームアームを跳ね上げるだけです。ボタンを探す必要がなく、配信中や会議中にすぐ切れます。


サイドトーンはハウジングにあるモニターダイヤルで操作します。取扱説明書では、ダイヤルを押すたびに自分の声のモニターがオン・オフし、左右に傾けると音量を変えられると説明されています。ヘッドホンをしていると自分の声が分からず、声が大きくなりがちです。サイドトーンがあれば、会議でも声量を保ちやすくなります。
サイドトーンをオンにして会議に出てみると、話しやすくなりました。ヘッドホンで耳がふさがれて自分の声が聞こえないと、ちゃんと届いているのか不安になります。オンにすると自分の声が耳に返ってくるので、その不安がなくなり、落ち着いて話せます。
オンライン会議で、相手から声の聞こえ方を指摘されたことはありません。気になって声質を聞いてみたところ、クリアに聞こえるとのことでした。
コンデンサーマイクは感度が高く、ダイナミックマイクより周囲の音を拾いやすい傾向があります。このヘッドセットは単一指向性で、マイクを口元に寄せられるため、会議用途では使いやすいと感じました。
5. 装着感とイヤーパッド(メッシュとレザー)
イヤーパッドは2種類あります。メッシュ素材は通気性を重視した標準装着のパッドです。レザー素材はATH-M50xと同じタイプで、遮音性と音質を重視しています。


メッシュのパッドは圧迫感がちょうどよく、ずっと着けていたくなる心地よさがあります。私はオフィスでオンライン会議をするとき、周囲の声を遮りたいのでレザー素材に交換して使っています。1時間ほどの使用では、レビューでよく言われるほど蒸れる感じはなく、快適でした。

密閉型のため、暑い季節や長時間の使用では蒸れやすくなります。その場合は、標準のメッシュのままにするのが無難です。質量は約330gで、折りたたんで持ち運べます。

6. 対応機器:Windows、Mac、PS5で使えるか
接続はUSB Type-Aです。USB Type-Cポートには付属の変換アダプターで接続します。

公式の対応OSはWindows 10、Windows 11、macOS Catalina、Big Sur、Montereyと記載されています。オーディオテクニカのMac対応一覧(2024年2月更新)では、macOS Big Sur、Monterey、Ventura、Sonoma 14.1.1での使用確認が載っています。接続すればドライバーが自動で入る仕組みです。

「ATH-M50xSTS-USB PS5」で検索する人は多いようです。ただし、公式の対応OS表にPS5などのゲーム機は載っていません。Amazonの商品名にはPS4・PS5の表記がありますが、メーカーが動作を保証しているかは公式情報で確認できませんでした。ゲーム機で使う場合は、購入前にメーカーや販売店へ確認すると安心です。
無線と違い、USB接続は急に切れたり電池切れになったりする心配がありません。万一つながらなくなっても、たいてい抜き差しですぐ復活するので、大事なオンライン会議でも安心して使えます。
7. デメリット:ケーブル、リケーブル不可、USB専用
使ってみて気になった点は3つあります。
1つ目は、ケーブルに巻き癖がつきやすいことです。付属のケーブルはやや硬めで、取り回しに不便さを感じます。

2つ目はリケーブルできないことです。本体側でケーブルが固定されていて、抜き差しできません。目の前のPCで会議をするには少し長いので、余った分はまとめて縛っています。デスクトップPCや楽器の演奏に使う人には、ちょうどよい長さかもしれません。


3つ目はUSBでしか接続できないことです。3.5mmや6.3mmの4極プラグでもつなげれば、使える場面が広がると思いました。
そのほか、公式のOS対応表はWindows・Macが中心で、専用アプリもありません。細かい音質調整をしたい人には物足りないかもしれません。
8. 価格とコスパ:別々に買う場合との比較
ヘッドホンとマイクを別々にそろえた場合と比べてみます。Amazonの掲載価格(2026年10月28〜29日時点)は次のとおりでした。
| 構成 | 価格 |
|---|---|
| ATH-M50xSTS-USB(1台) | 26,680円 |
| ATH-M50x(ヘッドホン) | 22,000円 |
| AT2020USB-X(USBマイク) | 19,450円 |
| ATH-M50x + AT2020USB-X の合計 | 41,450円 |
AT2020USB-Xはスタンドマイクで、ATH-M50xSTS-USBのマイクとは別の製品です。音質を同じとは言えませんが、「M50x系のヘッドホンと、AT20系のUSBマイク」を別々に買うと約41,000円になります。一体型は約14,000円安く、デスクにスタンドもいりません。
価格はAmazonの掲載価格で、変動します。ポイント還元やセールで変わるため、購入前に各ストアで確認してください。
9. 競合との比較:どんな人が別の製品を選ぶか
比較で迷いやすい製品を、用途で分けます。
| 製品 | 接続 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| ATH-M50xSTS-USB | USB(有線) | PC・Macでの会議、配信、音楽制作 |
| ATH-M50xSTS(XLR) | 3.5mm+XLR | オーディオインターフェースを使う配信・収録 |
| CORSAIR HS65 SURROUND | 有線(ゲーミング) | ゲーム中心。ドルビーアトモス対応の商品名 |
| Razer BlackShark V2 HyperSpeed | 2.4GHz無線・Bluetooth・USB | ケーブルを避けたいゲーム用途 |
| ATH-M50xBT2 | Bluetooth・有線 | 音楽を無線で聴きたい人 |
モニターヘッドホンらしい音と、会議や配信で使えるマイクを1台で済ませたいなら、ATH-M50xSTS-USBが合います。ゲームを中心に使い、PS5などの機器で公式に対応しているものを選びたい場合は、CORSAIR HS65 SURROUNDやRazer BlackShark V2 HyperSpeedのようなゲーミングヘッドセットが候補になります。ケーブルが邪魔なら、無線のモデルを検討してください。
マイクが要らず音楽を無線で聴ければよい人にはATH-M50xBT2もあります。
他のユーザーの声はX(旧Twitter)の投稿でも確認できます。
10. よくある質問
- ATH-M50xSTS-USBとATH-M50xSTSの違いは何ですか?
-
接続方法です。USBモデルはPCやMacにUSBで直接つなぎ、XLRモデルはオーディオインターフェースやミキサーにつなぎます。USBモデルにはサイドトーンと24bit/96kHzのA/Dコンバーターが入っています。
- PS5で使えますか?
-
公式の対応OS表にはWindowsとMacしか載っていません。Amazonの商品名にはPS5の表記がありますが、メーカーの動作保証は確認できませんでした。購入前に販売店やメーカーへ確認してください。
- Macで使えますか?
-
使えます。オーディオテクニカのMac対応一覧には、macOS Big Sur、Monterey、Ventura、Sonoma 14.1.1での使用確認が載っています。ドライバーは自動で入る仕組みです。
- イヤーパッドはどちらがよいですか?
-
蒸れにくさならメッシュ、遮音性と音質ならレザーです。標準装着はメッシュで、レザーは付属品として同梱されています。
- サイドトーンはどう操作しますか?
-
ハウジングのモニターダイヤルを押すとオン・オフが切り替わり、左右に傾けると自分の声の音量を調整できます。
- スマホやタブレットで使えますか?
-
公式の対応OSはWindowsとMacで、スマホは記載がありません。端子はUSB Type-AとUSB Type-C変換アダプターです。スマホで使うときは、動作確認が必要です。
11. まとめ:ATH-M50xSTS-USBが向く人
ATH-M50xSTS-USBはフラットな音のモニターヘッドホンに、使いやすいブームアーム付きマイクを組み合わせたUSBヘッドセットです。PCやMacでのオンライン会議、配信、音楽制作に向いています。
ケーブルの巻き癖、リケーブル不可、USB専用という点は購入前に知っておきたい部分です。PS5などのゲーム機で使いたい人は、公式の対応表に記載がないことを踏まえて選んでください。

