SwitchBot顔認証パッドの使い勝手は?指紋認証と比較しながら本音レビュー

スマートロックの導入が一般化し、スマートフォンや指紋での解錠に加えて、顔認証による解錠が注目されています。今回は、筆者がSwitchBot初代ロックに新たに「顔認証パッド」を取り付けた実体験をもとに、製品の特徴や使い勝手、注意点を詳しくレビューします。

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目次

1.SwitchBot顔認証パッドとは

1.1.製品概要

  • 顔認証技術:iPhoneレベルの3D構造光(TrueDepth)採用
  • スピード:最速1秒で認証解除
  • 対応機能
    • 顔・指紋・パスワード・NFC・物理キー・アプリなど9種類の解除方法
    • 夜間も対応する赤外線IRセンサー搭載
    • 静音モード(夜間は20dB以下)
    • ステータス通知&遠隔操作(SwitchBot Hub 接続時)
項目内容
本体サイズ幅 131 × 奥行 65 × 高さ 30 mm
重量約 205 g
バッテリー容量5,000 mAh(USB‑C充電式)
バッテリー持続時間最大 1年間(1日10回の解錠・施錠想定)
認証方式顔認証(iPhoneレベル 3D構造光)/指紋/パスワード(6~12桁)/NFC(Suicaなど)/物理キー/アプリ/Bluetooth/スマートウォッチ/音声 (計9方式)
顔認証距離約 60~90 cm
対応身長約 120~200 cm
暗所対応約 3万本の赤外線ビーム・デュアルセンサー搭載(夜間OK)
静音モード夜間の施錠音 < 20 dB に自動切替
接続方式Bluetooth LE/Hub経由でWi‑Fi接続、Matter/HomeKit対応
対応ドアロックSwitchBot Lock/Lock Pro/Lock Ultra/Lock Lite
防水防塵IP65
動作環境(温湿度)温度:‑20 ~ 45℃/湿度:10 ~ 90 %
材質PC(UV耐性)
発売日2025年5月19日
価格約 16,980 円(税込) ※定価

1.2.開封

今回筆者が購入したのは、「SwitchBot 顔認証パッド」と「SwitchBotロックUltra」。ただし、後述の理由によりロックUltraの設置は見送り、顔認証パッドのみを使用しました。

SwitchBotロックUltraと顔認証パッドのパッケージ
SwitchBotロックUltraと顔認証パッドを購入しました。

パッケージ内容は以下の通りです:

  • 顔認証パッド本体
  • USB Type-C to A充電ケーブル
  • 両面テープ、壁面固定用ネジ・アンカーなどの取り付け部品一式
  • 非接触ICカード(1枚)
顔認証Pad同梱物一式
SwitchBot顔認証Padの同梱物

ICカードの代わりに、SuicaやApple WatchなどのFeliCa対応デバイスでも解錠が可能です。ユーザーの生活スタイルに応じた運用が可能なのは大きなメリットです。

1.3.顔認証パッドの細部を確認

SwithBot顔認証Padの裏面
SwithBot顔認証Padの裏面

背面右上には防水キャップで覆われた物理電源スイッチが配置されており、防塵・防水性を保ちつつ、メンテナンス性も確保されています。また、銀色の突起部には不正取り外しを検知するセンサーが内蔵されていると考えられ、セキュリティ面でも配慮されています。

下部にはUSB Type-Cポートがあり、充電中は赤色のLEDが点灯。視認性の高いインジケーターにより、充電状態を一目で確認できます。

SwitchBot顔認証Padの下部。充電ポートが写っている。
SwitchBot顔認証Padの下部。充電ポートが写っている。
SwitchBot顔認証Padの下部。充電ポートにケーブルを挿している

1.4.SwitchBot顔認証Padの充電方法について

本製品は内蔵リチウムバッテリー(容量:5000mAh)を搭載しており、フル充電でおよそ1年間の稼働が可能とされています。ただし、屋外使用を前提とした設計上、近くにコンセントが無い環境では本体を一度取り外して充電する必要があります。

その際、UGREENやAnkerなどが販売するType-C端子を備えたスティック型モバイルバッテリーを直接挿すことで、本体を取り外さずにその場で充電可能です。特に玄関などの利便性が重要な場所では、この点は非常に実用的です

UGREENモバイルバッテリー
SwitchBot顔認証PadにUGREENモバイルバッテリーを接続
UGREENはキャップが邪魔で若干挿しづらい

2.顔認証技術の実力と使用レビュー

2.1 技術スペックの詳細

SwitchBot 顔認証パッドには以下のような特徴があります:

  • 赤外線ビーム3万点による高精度3D顔認証
  • 夜間・逆光などの環境下でも認証可能な赤外線センサー
  • IP65相当の防水防塵性能により、屋外設置にも対応
  • フル充電で最大12ヶ月稼働する省電力設計

これらの仕様から、スマートロックとしての基本機能に加え、屋外利用においても十分な耐久性と認証精度が期待できます。

2.2 実使用レビュー:設置環境と認証の挙動

自宅に取り付けたSwitchBot顔認証パッド

筆者の玄関は北向きで屋根付きのため、直射日光が当たらず、顔認証にとっては理想的な環境です。家族それぞれの顔を複数パターン登録し、複数回の使用を重ねたところ、通常は顔をかざしてから1〜2秒で音声案内と共に解錠が行われました。

しかし、稀に認証が始まらないケースもあり、体を前後に動かして再認証を促す必要がある場面も。そうした場合は指紋認証パッドに頼る形となり、顔認証は補助的な手段としての運用が現実的です。

2.3.肯定的なユーザーコメント

SwitchBotの顔認証について、あまりポジティブな感想は見つけられませんでした。おそらく発送がかなり遅延しており、6月中旬時点で、入手できている人も少ないのではないかと思います。

2.4.否定的なコメント

時々、顔認証がうまく起動しないことがあるようです。私も時々認証せず、結局指紋認証で解錠することが多いです。

一定時間放置するとスリープ状態になって、そこからの起動に時間がかかっているような気がします。節電のための仕様だと思いますが、玄関先で1秒でも待ちたく無い人にとってはイライラするかもしれません。リリース直後で流通量が少ないこともあり、信頼性評価は今後のアップデート次第といえます。

3.指紋認証の性能比較:指紋認証Pad vs 顔認証Pad

筆者は旧モデルの指紋認証パッドを顔認証パッドに置き換えました(ロックはそのまま)が、指紋認証による解錠のパフォーマンスもかなり上がっていました。Fast Unlock機能により、接続を維持しているためだと思います。

比較動画を作成してみたところ、顔認証パッドの指紋認証の方が1〜2秒程度早く解錠されました。玄関前でわずか1秒でも待たされることがストレスとなるため、体感としては大きなインパクトでした。

4.SwitchBotロックUltraの取り付けに関する注意事項

4.1 “99.9%対応”でも注意が必要

公式では「99.9%のサムターンに対応」とされていますが、筆者宅では標準的な丸型サムターンにもかかわらず、高さが合わず設置不可という事態に。

丸型のサムターン。SwitchBotロックUltraが取り付けできない

追加の高さ調整用スペーサーが必要であることが、商品ページの深部にしか記載されておらず、分かりづらい仕様です。

Amazonページの中程の詳細説明の写真から、さらに右にスライドしたところにスペーサーの説明があります。
こんなの誰が見つけられるのか。

YKKAPやLIXILなどよく家庭で見かけるサムターンですが、このあたりはそのままでは合わないようです。別途スペーサーが必要なパターンも含めて99.9%対応を謳っているのだとしたら、もっと目立つところに書いておくべきだと思いました。

ご自宅のサムターンが対応しているかどうかは公式サイトをご確認ください。

ただし、公式サイトに載っている条件に収まっていたとしても、上記のように高さがある場合は別途スペーサーが必要となりますのでご注意ください。(公式サイトには明言されていません)

我が家のサムターンは見事にこのパターンに陥っていまして、そのままでは取り付けることができませんでした。

SwitchBotサポートへ連絡し、スペーサーの送付をお願いしました。

4.2.SwitchBotサポートへの連絡

SwitchBotアプリから6月10日に問い合わせを送信したところ、返信は18日と8日後。製品リリース直後という事情もあるかもしれませんが、サポート体制の遅れはユーザー体験に影響を与える重大な要素です。

SNS上でも「サポートが電話に出ない」「返信が遅い」などの声が複数見られ、特に不具合発生時には迅速な対応が求められる製品である以上、この点は改善が望まれます。

4.3.CANDY HOUSEのSESAMEを購入

サポート対応に不満を感じた筆者は、最終的にCANDY HOUSEのSESAMEスマートロックと顔認証パッドを一式購入。今後は両製品の比較レビューも予定しています。

到着次第比較レビューしたいと思います。(6月末発送予定)

5.まとめ:SwitchBot 顔認証パッドは「完成度7割」だが将来性あり

現時点でのSwitchBot 顔認証パッドは、ハードウェアとしての完成度や設計思想は高く評価できますが、実際の運用においては顔認証の精度と安定性、サポート体制において課題が残ります。

サムターン対応状況や設置条件を十分に確認したうえで導入することが重要であり、現段階では指紋認証パッドとの併用を推奨します。将来的にファームウェアのアップデートやサポート体制の強化が進めば、メインの解錠手段としても十分活躍できるポテンシャルを持った製品です。

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